2021年9月1日の日本経済新聞に有限会社KBTの記事が掲載されました。
投稿日:2021年09月02日
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この度、2021年9月1日の日本経済新聞に有限会社KBTの記事が掲載されましたので、是非一度ご覧ください。
以下 掲載記事全文です。
信州企業/攻めの一手
中古のカー用品販売を手掛けるKBT(長野市)が事業の幅を広げている。業界大手のFC店の店長から出発した久保田俊行社長が、独立して起業し多角化を進めてきた。目指す先はカー用品に限らず中古品を買い取って販売する総合リサイクルビジネスだ。
中古のカー用品を扱う事業に携わったのは、2004年に父親が経営する企業に脱サラして入社したことがきっかけだ。この会社が業界大手の加盟店となり、店を任された。若者を中心に車をドレスアップする需要も大きく、中古品もよく売れたという。
中には買い手が付かず、長期在庫になる商品もある。そこで05年に始めたのがネット販売だ。ただ当時はまだネット販売は一般的ではない。「怪しい業者と思われないように」(久保田社長)と考えたのが、店のキャラクター作りだ。デザイン会社に依頼して、招き猫とモアイ像を組み合わせたキャラクターを作り、ネットショップの名前は「買取ドットコム招きモアイ像」とした。
事業拡大に伴って07年に独立してKBTを設立する。長野市内に店を開き、低価格を売りにタイヤなど新品の販売も始めた。店名は「MANEKI-MOAIZOU」とし、広告ではキャラクターを前面に打ち出した。
知名度を上げようと始めたのが飲食店経営だ。行政の許可を得て飲食店を開業できるくらいしっかりした会社が経営しているカー用品店であれば、安心して利用してもらえると考えた。
18年には新潟県の海水浴場に海の家「海の遊び場まねきもあい」も開業した。ウオータースライダーなどがあるキッズパークを併設し、波を怖がって海に入れない子供も楽しめるように工夫している。
事業が順調に拡大する中で直面したのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。店頭での売り上げが減少し、事業の未来を考え抜いた末に出した結論は「原点回帰」。不用品を買い取ってネットで売るビジネスへの注力だった。
久保田社長は「新品の販売では大手に勝てないが、中古品なら勝てる」と話す。同じものがない中古品は、買いたければ店の規模は関係ない。9月には長野市内に買い取り拠点となる大型店を開く予定だ。
実店舗は新品の販売に絞り込む。販売量では大手にかなわないが、価格での勝負には自信がある。「招きモアイ像」を信頼しファンになってくれた客の新品がほしいという需要に対応する。
自動車以外の分野への拡大も模索している。その布石として20年9月に宝石や貴金属、ブランド品などの買い取り販売を全国展開する「銀座パリス」のFC店、銀座パリス千曲桜堂店(長野県千曲市)を開業した。
「コロナでネット利用の勢いは確実に加速した」(久保田社長)。中古品の売買拡大は、廃棄物を減らすことにもつながる。ネットと実店舗を連携させて、分野を問わない総合的な中古品ビジネスへの成長が目標だ。
(塚越慎哉)
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